無愛想な彼が私を見ない理由
頭に入ってこなかった授業は終わり、
気がつけば、放課後になっていた。
『図書室に来れるかな??』
早瀬さんにそう言われた。
放課後は図書室にほとんど人がいない。
いてもきっと、佐倉くんだけ。
けど、佐倉くんは今日はいない…気がする。
佐倉くんがいたら早瀬さんは、図書室を選ばない。
『あれ、葉月どこ行くの??』
「ごめん叶波。さき、帰っててっ」
私は叶波にそう言い、小走りで図書室に向かった。