無愛想な彼が私を見ない理由
図書室について、ドアに手をかける。
けど、開ける勇気がない。
「ふぅ………」
深呼吸した後、ゆっくりドアを開けた。
開けると本を整理しながら早瀬さんがいた。
いや、いるのはそうなんだけど……。
「早瀬さん……」
私が彼女を見つめると早瀬さんは微笑んで、
『あ、葉月ちゃん』
と言った。
その笑顔がすごく綺麗で、可愛くて、
少しだけ妬いてしまう。
早瀬さんはほんと、綺麗な人だ。