無愛想な彼が私を見ない理由
「岡野さんに会いたいです」
《佐倉修side》
『………前見て歩いた方がいいよ』
岡野さんはいつもぼーっとしてるから。
いつか転びそうな気がする。
そんなこと考えながら家に向かった。
『修!』
家の近くまで来ると、私服を着た早瀬が俺に手を振っていた。
珍しい、ここまでくるなんて。
「どうした、早瀬?」
『うん……、修に用があって……』
俺に?
何の用だろう…………?