無愛想な彼が私を見ない理由
ザァ………っ
いきなりまた、少し強めの風が吹いた。
「…………………っ!!」
その瞬間、佐倉くんの前髪がふわっと上がった。
初めて見る彼の目は、
とても綺麗に見えて、思わず
目がはなせなくなった。
『…………まだあったんだ』
そう言って佐倉くんは最後の窓を閉めた。
………心臓の音がうるさくなっていく。
きっと、近くに佐倉くんがいるからだ。
だからきっと………っ。
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