無愛想な彼が私を見ない理由



ザァ………っ


いきなりまた、少し強めの風が吹いた。


「…………………っ!!」


その瞬間、佐倉くんの前髪がふわっと上がった。


初めて見る彼の目は、

とても綺麗に見えて、思わず


目がはなせなくなった。


『…………まだあったんだ』


そう言って佐倉くんは最後の窓を閉めた。


………心臓の音がうるさくなっていく。

きっと、近くに佐倉くんがいるからだ。


だからきっと………っ。





< 17 / 353 >

この作品をシェア

pagetop