無愛想な彼が私を見ない理由
「岡野さんのこと、ばっかりだ……」
《佐倉修side》
『ねぇ、修?どうしたの、ぼーっとして』
「なんでもない」
『そう………なの?』
「あぁ」
……今日は日曜日。
早瀬と約束した1日。
俺は早瀬と2人で歩いていた。
(………はなれない)
………この前、波多野たちに早瀬と出かけることを話したときの、
岡野さんの顔が離れない。
少しうつむいて、悲しそうな泣きそうな顔をして、
俺から目をそらしたあの顔が。