無愛想な彼が私を見ない理由
『佐倉くん、自惚れてもいいですか?』
《岡野葉月side》
『おはよー、葉月。
あれ、なんか元気ないね?』
月曜の朝、叶波に言われたとおり私は元気がなかった。
最近全然眠れない。
……佐倉くんのことしか考えられないんだもん。
早瀬さんのこともだけど。
気になって気になって仕方なくて。
(好きってホントに厄介……)
彼女じゃないくせに何言ってんだって感じか……。
『葉月ー、話なら聞くよ?』
叶波は私の頭を軽く叩いて、そう言ってくれた。
いつも聞いてくれる叶波はすごく優しいと思う。