無愛想な彼が私を見ない理由



--佐倉くんは窓側の後ろの方の席になった。

私とは…全然逆の席。


私は、廊下側の一番前の席だから…。


…この距離が、私と佐倉くんの距離じゃありませんように、

なんて、思いたくなくても思ってしまった。


考えすぎってことくらい、分かってるんだけど…ね。


『……平気?』


「え……」


……なにが…??


『なんか元気なさそうだったから』


柳くんは軽く笑う。

……優しい人。

そんなことが頭に浮かんだ。


まだ、数日間しかいないけれど。



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