無愛想な彼が私を見ない理由



………教室は相変わらずで、

波多野くんが叶波を見てこっちに来た。


(この、叶波バカ……)

 
なんて思うのも慣れてしまった。


『おはよー、叶波、岡野ちゃん』


『おはよ』


「おはよう、波多野くん」


………挨拶するのも慣れた。

私、いつもみたいに笑えてるかな。


その後、私は自分の席に座った。


だって前だからすぐだし……。


うん、本当にすぐ。


波多野くんがこっちに来てなかったら、

もっと早く座ってたのかな。






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