無愛想な彼が私を見ない理由



ううん、会いたいの。


『………そっか。頑張れ』


そう言ってくれた柳くんの表情は、

どこか悲しそうにも見えたけど、

笑っているから私の勘違いなんだろう。


「うん!」


………あれ、なんで頑張るって知ってるの?

私、佐倉くんが好きとか告白するとか言ってないのに。


けど、気にしても仕方ないよね。


私はとりあえず教室を出て、

佐倉くんがいるであろう図書室を目指すことにした。





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