無愛想な彼が私を見ない理由
『ごめんね、なんか見つけたらつい呼んじゃって』
「ううん、平気」
むしろなんか面白かったし、深湖ちゃんいて。
友達だったんだね…。
でも…っ、
「あ、じゃあ行くね」
今日は急がないといけないから。
『ごめんね、またね!』
あれ、かおりちゃんがここにいるってことは
図書室にはきっと、佐倉くんだけ。
じゃあ…、早く行かないと。
佐倉くんが帰る前に、多分帰ることはないだろうけど。