無愛想な彼が私を見ない理由


『岡野さん、これ以上近づいてもいい?』


「えっ?」


……私と佐倉くんの距離は、

少しだけあって。


『いい?』


「…………うん」


小さくうなずくと、佐倉くんはゆっくり歩いてきて、

ぎゅっと抱き締めた。


この前と同じようで違う、

………あぁ、気持ちの問題かな。


でもまだ私……、


佐倉くんに返事もらってないんだけど……。


「ねぇ…え、佐倉くん……」


『……なに?』




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