無愛想な彼が私を見ない理由



「……………っ!?」


えっ!?

今、佐倉くんが私のこと“葉月”って……っ!


幻聴?なんて疑ってしまう。

けど、それでも


ドキッとしてしまう。


『やっと、顔上げた』


クスッと佐倉くんはまた笑った。

………ほんと、ズルいな。


『岡野さん、俺のこと名前で呼んでよ』


「えっ!?え、えっと……っ」


そ、そんなにじーっと見ないで下さい…。


緊張…するので………。


「ぅ、えっと……

しゅ、修…………くん………」


目をつぶって、頑張って彼の名前を呼ぶ。

………恐る恐る目を開けると……。




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