無愛想な彼が私を見ない理由



『“岡野さん”の方が良くない?』


「うん、確かに……」


『で?さっきは何を考えたの?』


下駄箱にやっと着いたとき、

佐倉くんはまたその質問をする。


なんでまた聞くの!?

……もう、恥ずかしいから止めてほしい……。


いや、いっそ言ってみる?

あ、でも引かれるかな……。


『どーせ、分かってるんだけど』


「なら、聞かなくていいじゃない!」


『………珍しく岡野さんが強気。

じゃあ、さっきの続きやり直す?』





< 341 / 353 >

この作品をシェア

pagetop