無愛想な彼が私を見ない理由
『“岡野さん”の方が良くない?』
「うん、確かに……」
『で?さっきは何を考えたの?』
下駄箱にやっと着いたとき、
佐倉くんはまたその質問をする。
なんでまた聞くの!?
……もう、恥ずかしいから止めてほしい……。
いや、いっそ言ってみる?
あ、でも引かれるかな……。
『どーせ、分かってるんだけど』
「なら、聞かなくていいじゃない!」
『………珍しく岡野さんが強気。
じゃあ、さっきの続きやり直す?』