無愛想な彼が私を見ない理由
「あっ………うん!
もう………、読み終わったからっ!!」
私が彼の方を見て、そう言うと佐倉くんはじっと本をみた。
『…………………まさか、本当に貸してくれるなんてね。
……………ありがと、借りる』
そう言って本を受け取った。
……………佐倉くんと喋るのは嬉しい。
けど、上手く話せない。
でもそれでも話したい。
「ね、ねぇ……、佐倉くん??
佐倉くんは好きな人とか………いるの??」