無愛想な彼が私を見ない理由



無意識にそう聞いていた。


あーっ!でもこれじゃあ私が佐倉くんのこと

気になってるってバレバレなんじゃ……!


言った後からすごく後悔した。


『………………好きな人??


…………………………………………いないけど』


佐倉くんは無愛想に返した。

嬉しいけど、なんか複雑………。


『なんで?』


「い、えっと………。

何となく……、れ、恋愛小説見て何となく……」


…………すごく適当だ。

何となくとか何回いってんの~っ!!


『へぇ。まぁ、いいや』


ふっと佐倉くんは視線を外にズラした。

何を考えてるのかな……?



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