無愛想な彼が私を見ない理由



その後は普通に授業があったから、

みんな席に着いた。


授業だってあんまり好きじゃないけど、

今日なら頑張れそうな気がする。


ホント、私って単純だなぁ……。


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『葉月ちゃん、葉月ちゃん!!』


授業が終わった後、何人かの女の子が私に話しかけてきた。

話題はもちろん佐倉くんのことで。


『佐倉くん、雰囲気変わった??!』


「雰囲気?あ、そうかもしれない……」


どことなく、優しいというか何というか……。


『あたしたちでも話しかけて平気かな!!?』


女の子たちはすごくニコニコしながら聞いてきたから、私も、


「いいと思うよ!」


と、笑顔で答えた。



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