無愛想な彼が私を見ない理由
『そこで面白い顔してる葉月。
今日先帰ってていいよ』
お、面白い顔!?
叶波はさらっと言ったけど、正直すごい気になった。
「え、なんで??」
『なんか………、担任から頼まれた………』
叶波はガクッと肩を落とした。
よっぽど嫌なんだろう。
「ううん、待ってるよ」
私がそう言うと叶波は目を輝かせて、
『いいの!?ありがとーっ』
と笑った。
いつもお世話かけすぎてるから、
待つくらい、何とでもないんだよ?
「廊下で待ってればいい??」
『下駄箱でいいよ?』
「ううん、下駄箱は人くるから」
『そっか。ありがと』