無愛想な彼が私を見ない理由
『あ、ありがとう。わざわざごめんね』
その女の人は私を見てニコッと笑った。
何だかすごく大人っぽくて、一瞬先生かと思ったくらいだった。
けど、もしかしたら同級生かな……。
「えっと……、これどうするんですか?」
こんな沢山の本を持ち帰る訳じゃないだろうから………。
『え?あ、図書室に………』
「手伝います。重たいし………」
とっさに私はそう言っていた。
また本を落としてたら、大変だと思うし……。