無愛想な彼が私を見ない理由


図書室のドアの前まで来たとき、

ガラッと中から図書室のドアが開いた。


「え………」


小さな驚きの声が私の口からこぼれた。

なんで彼が?


『あ、修。まだいたの??』


『……いや、早瀬が本取ってくるからって。

あれ、岡野さん………?』


彼は驚くこともなく、じっと私を見た。


「………こんにちは、佐倉くん」


なんで佐倉くんがいるんだろう。

佐倉くん、確か図書室がどうとかって……。



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