姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
【姫花】

カラオケに着くと、案の定すぐに潤也がクラスの女の子に囲まれて、連れて行かれた。

姫ちゃんも歌って! なんて言われて渡されたポータブルの機械

ペンでタッチしながらボーっと見てるけど、歌なんか歌う気分じゃない・・

さっきは平気なフリしたけど、本当はもう・・ひとりになりたい

私って、友達の友達は私も友達って思っちゃうタイプ・・ 
少し話しただけで、信用しちゃうし、友達の為なら我を忘れて突っ走っちゃって、失敗することも多々ある。

その分、一度でも裏切られたらもう駄目・・・

もう、その子とは関わりたくないって思っちゃう。

みんなの歌を聴きながらも視界にうつるアミの姿・・

潤也の隣で満足そうに笑って、潤也の太ももを触ってる・・

カラオケに来て、アミは私に声も掛けず潤也にまっしぐらだった・・

やっぱり、さっきの光景は現実で、アミに利用されていたんだって実感すると胸がいたい・・ 

あぁ・・泣きそうかも・・

こんなところで泣きたくない!! って必死に我慢・・でも、やっぱり涙がでてきちゃって、あわてて、トイレに駆け込んだ

個室に入って、泣き声がもれない様にレバーを引いて水を流す

こんなに泣いてたら、瞼が腫れちゃう・・・

しばらくして部屋にもどると、潤也がいなかった

さっき座っていた場所も他の子が座ってる・・ドアの前に立ってるとやっちゃんが「こっちおいで~」って呼んでくれたので、やっちゃんの隣に座った

「姫ちゃん! 何か食べる?」と座ったとたんに渡されるメニュー表

そういえば、お昼まだだった・・

「オレ的には、このブラウニーの乗ったパフェかなぁ・・ でも、こっちの抹茶白玉のカキ氷も捨てがたい~!!」って興奮してるやっちゃんを見ていたらおかしくて笑ってしまった

「じゃあ、両方頼んで、半分ずつにする?」って提案してみた

本当は、ご飯モノにしようかと思ってたんだけどね

「いいの~ 姫ちゃんと半分こなんて、夢みてぇ~」と騒ぎながら、やっちゃんは注文していた

しばらくしてから来たパフェとカキ氷を食べていると、潤也が男の子を連れて戻ってきた

モデル仲間なのか、みんな背も高くて、堂々としている。



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