姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
姫と過ごす時間 ~日向編~
【日向】
今日から2学期が始まった。
俺の科は始業式はなくて、HRだけだったから姫ちゃんよりかなり早く終わった。
ガクが仕事だったから、俺は姫ちゃんを待ってランチ兼ドライブに誘ったんだ
初対面の時、いきなり姫ちゃんに一緒にウィーンに来ないかって誘ったんだけど、姫ちゃんには軽くスルーされたんだっけ・・
あの時は、直感で側に置きたいって思ったんだけど、ここ何日か居候という形で姫ちゃんの側にいて、『姫ちゃんを、側に置きたい』んじゃなくて、『俺が、側にいたいんだ』って事に気づかされた。
今まで俺の側にいた女とは明らかに違うんだ
一緒にいても肩肘張らなくいい、リラックスできる空気なんだ
日本に戻ってきた本当の理由は、スランプで全くバイオリンが弾けなくなってしまったから・・
年末には、こっちでリサイタルが準備されているけど、もしそれまでにこの迷路から抜け出せなくなったら、リサイタルは蹴って潔くバイオリンを捨てる覚悟で戻ってきた
今は、自然に弾きたいと思うまでバイオリンには触らないようにしている
幼い頃から、数々のコンクールのトロフィーをかっさらっていった俺は、周りからの重圧に押しつぶされそうだった・・
・・・いや
押しつぶされそうなんかじゃない
押しつぶされていたんだ。
だから弾けなくなった・・
今日から2学期が始まった。
俺の科は始業式はなくて、HRだけだったから姫ちゃんよりかなり早く終わった。
ガクが仕事だったから、俺は姫ちゃんを待ってランチ兼ドライブに誘ったんだ
初対面の時、いきなり姫ちゃんに一緒にウィーンに来ないかって誘ったんだけど、姫ちゃんには軽くスルーされたんだっけ・・
あの時は、直感で側に置きたいって思ったんだけど、ここ何日か居候という形で姫ちゃんの側にいて、『姫ちゃんを、側に置きたい』んじゃなくて、『俺が、側にいたいんだ』って事に気づかされた。
今まで俺の側にいた女とは明らかに違うんだ
一緒にいても肩肘張らなくいい、リラックスできる空気なんだ
日本に戻ってきた本当の理由は、スランプで全くバイオリンが弾けなくなってしまったから・・
年末には、こっちでリサイタルが準備されているけど、もしそれまでにこの迷路から抜け出せなくなったら、リサイタルは蹴って潔くバイオリンを捨てる覚悟で戻ってきた
今は、自然に弾きたいと思うまでバイオリンには触らないようにしている
幼い頃から、数々のコンクールのトロフィーをかっさらっていった俺は、周りからの重圧に押しつぶされそうだった・・
・・・いや
押しつぶされそうなんかじゃない
押しつぶされていたんだ。
だから弾けなくなった・・