姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
【 日向 】
しばらくたわいもない話をしていると、アリさんがタコのカルパッチョと真鯛の塩釜焼きを持ってきた
姫ちゃんは木の金づちで塩釜を割るのが面白かったらしく、その笑顔がまたCUTEだった・・
「おいしいですねぇ~」
って本当に幸せそうな顔で俺を見てくる姫ちゃんに思わずドキッとした
ガクの手前、「今この瞬間が楽しきゃいい」的な軽薄な行動はできない
というか、そういうのはもううんざりしているのが本音
俺が今まで相手にしてきた女とは違う・・
それなりに稼いではいるけど、年齢的に選挙権もないし、飲酒も喫煙もNG・・
つまりガキってこと
だからって、そこらへんのヤツよりは、世間を見てきている
表も、裏も・・俺の意思とは関係なく・・
世の中はそんなに汚い面ばかりじゃないのかもしれないけど、俺の存在していたところは、綺麗な面なんか・・・なかった
ガクと知り合って、信用するに値する人間もいるんだって知った
姫ちゃんと知り合って、この女の笑顔が見ていたいと思った
なんか・・大倉兄妹に人生の価値観を変えられてばかりいるな・・と思うと自然と笑みが出た
「日向さん、急に笑ってどうしたんですか?」
さっきまで、塩釜に夢中だった姫ちゃんが不思議そうにこっちを見ている
「いや・・なんでもないよ? コレ、取り分けてくれたの?」
目の前にある真鯛の乗ったお皿に視線が落ちる
「そうですよ。 他人に取り分けるなんていつもはしないんですけど、日向さんボーっとしてて、私が全部食べちゃう前に日向さんの分を確保しておいたんです」
「そんなにおいしかった?」
「もう、めちゃくちゃ! ビールに合いますよ!!」
そして、日向も真鯛を口に運んだ
「本当だ! おいしいね! なんか、ハマりそう」
「でしょ? 作り方教えてもらって、家でも挑戦しよう!」
「ふ~ん・・・ 誰の為に作ってあげるの?」
「え?」
「ガク?」
「え? いや・・・」
「俺・・・とか?」
しばらくたわいもない話をしていると、アリさんがタコのカルパッチョと真鯛の塩釜焼きを持ってきた
姫ちゃんは木の金づちで塩釜を割るのが面白かったらしく、その笑顔がまたCUTEだった・・
「おいしいですねぇ~」
って本当に幸せそうな顔で俺を見てくる姫ちゃんに思わずドキッとした
ガクの手前、「今この瞬間が楽しきゃいい」的な軽薄な行動はできない
というか、そういうのはもううんざりしているのが本音
俺が今まで相手にしてきた女とは違う・・
それなりに稼いではいるけど、年齢的に選挙権もないし、飲酒も喫煙もNG・・
つまりガキってこと
だからって、そこらへんのヤツよりは、世間を見てきている
表も、裏も・・俺の意思とは関係なく・・
世の中はそんなに汚い面ばかりじゃないのかもしれないけど、俺の存在していたところは、綺麗な面なんか・・・なかった
ガクと知り合って、信用するに値する人間もいるんだって知った
姫ちゃんと知り合って、この女の笑顔が見ていたいと思った
なんか・・大倉兄妹に人生の価値観を変えられてばかりいるな・・と思うと自然と笑みが出た
「日向さん、急に笑ってどうしたんですか?」
さっきまで、塩釜に夢中だった姫ちゃんが不思議そうにこっちを見ている
「いや・・なんでもないよ? コレ、取り分けてくれたの?」
目の前にある真鯛の乗ったお皿に視線が落ちる
「そうですよ。 他人に取り分けるなんていつもはしないんですけど、日向さんボーっとしてて、私が全部食べちゃう前に日向さんの分を確保しておいたんです」
「そんなにおいしかった?」
「もう、めちゃくちゃ! ビールに合いますよ!!」
そして、日向も真鯛を口に運んだ
「本当だ! おいしいね! なんか、ハマりそう」
「でしょ? 作り方教えてもらって、家でも挑戦しよう!」
「ふ~ん・・・ 誰の為に作ってあげるの?」
「え?」
「ガク?」
「え? いや・・・」
「俺・・・とか?」