姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
そんなブレンダに気がついたのか、「このソファ、気持ちいいよね?」と姫花が微笑んだ

「とっても・・ なんか、すごくリラックスできるわ」とブレンダ

「本当なら客席もすべてこのソファにしたかったみたいなんだけど、流石にこのホールに設置してあるイスを全てかえるのは難しくって・・ 貴重な時間を割いて自分の音を聴きに来てくれるお客様に、心地いい時間にして欲しいんだって言ってた。でも、このソファ・・ヒナのオーダーだから、3人がけ1つ作るのに3ヶ月かかるんだよ? このホール分なんて間に合わないのね」と姫花は思い出したかのようにクスッと笑った

「姫・・・いい恋してるのね? ふたりの時間がすごく穏やかなんだって伝わってくる」とブレンダは優しい目で姫花を見た

「ありがとう・・」

壱は、久しぶりに会った恋人とくっついていたかったのだが、姫花とブレンダで楽しげに話しているので、意識はブレンダに向けつつも、潤也達とグラスを傾けていた

そうこうしているうちに会場内が暗くなり、日向のリサイタルが開演した

日向の生み出す音・・・

日向の為に駆けつけた、著名な演奏家達とのコラボ

途中のMCでは、会場内に笑いが起きた

そうして幕を下ろしたが、会場はスタンディングオベーションで、アンコールの握手が鳴り止まなかった・・

そして、結局、幕は3回もあがることになり、予定していた終演時刻を30分以上もオーバーしてしまった

日向のリサイタルは大成功だったのだ
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