姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
打ち上げは、近くのホテルのスイートで行われた

スタッフ全員に一人、一人、声を掛ける日向がいた

潤也は、日向を知るほどに、自分との器の違いを突きつけられているようだった

自分は、あんなに周囲に目を向けられるほど、余裕のある男じゃない・・

「フッ・・・完全・・敗北・・・」

潤也の視線の先を見て賢次が自虐的に笑った

「ハハッ・・」

潤也は賢次に一瞬視線を移し、すぐに視線を戻した

日向の隣で、微笑む姫花の姿があった

スタッフとも気軽に話す姫花の姿から、きっと今日まで日向とスタッフと一緒に姫花も準備をしてきたのでは・・と思った

ブレンダも壱も、姫花に紹介され、日向と会話を交わした

日向は姫花がチケットを渡したカップルを紹介してもらい、姫花の友人達に【姫花の男】と認識してもらえる事が無性に嬉しかったりもした

そうして、打ち上げも和やかなうちに解散となり、翌日のスポーツ紙のトップで日向のリサイタルの記事が載る事になり、そこには、目にはモザイクが掛かっているが、知ってるひとが見たら一目瞭然の姫花とのツーショット写真も掲載されており、【彼女が復活の原動力になった】と書かれていた

その記事を見て、本当に姫花が日向の原動力だったので、思わず、笑みがこぼれた日向だった

だが、その記事を見て、おもしろくない・・と感じる人もいたのだった
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