姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
授業中も、もちろんその間の休憩もソワソワしている空気だった

お昼休みになり、めずらしくりんがひとりで迎えに来た

「あいつらは避難してるの?」

「そう・・午前中は教室に篭ってたけど、ランチは絶対いくって譲らなくてね・・」

というりんの視線の先には、人だかり・・

もちろん女の子・・なわけで・・

「ひ・・姫ちゃん・・」とその光景を見て涙目になる咲ちゃん

そりゃそうだよね・・自分の彼氏が女の子に囲まれて、見えもしないんだもん

「大吾なら大丈夫だよ? あれも仕事のうちだから・・ね?」と言って咲をなだめる姫花

「咲ちゃん、本当に申し訳ないんだけど、あそこに突っ込んでいくのは嫌だわ・・」とりん

姫花もあの人だかりをかき分け、潤也達4人のテーブルに座りたくはなかった・・

「うん・・私も・・・」と咲

咲のその返事はかなり意外だった・・

大スキな彼氏だもん・・

女の子に囲まれてるなんて嫌に決まってる

「大吾くんもだけど、龍馬くんや、潤也くんや賢次くん目当ての女の子もいるでしょ?いつも私達がいて。遠巻きに見てるだけしか出来ない子達も、バレンタインっていう力をかりて、頑張ってるわけだし・・ね」と咲はりんと姫花をはにかんでみせた

りんと姫花は思わず、顔を見合わせた

「そっか! 咲ちゃんっていい女だね」と姫花は咲に抱きついた

りんも笑いながらうなずいていた

「じゃ、私達、女三人は、あっちのテーブルにしよっか!」

と三人はりんの指した窓際の席へ座りお昼を食べ始めた


一方、潤也達のテーブルでは、めまぐるしく女の子が入れ替わり、どんどんチョコが置かれていく

中には大きなテディベアなんかもあって・・どれが誰にかわからなくなっていた・・

それでも4人は「コレも、仕事・・仕事・・笑顔だ!」と心の中で念じながら対応していた

そこへガクが顔を出した




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