姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
翌朝10時

昨日理事長に言われたビルの前に立っている

制服姿のまま、ビルに足を踏み入れた

警備員さんがニコっと会釈をしてくれたので、あわてて姫花も頭を下げる

エレベーターに乗って、指定された階で降り、ノックをして、そーっと扉を開けた

「遅い!!!」目の前には鬼の形相の理事長・・・

「はっ・・・般若・・」

「誰が!般若ですって!!!!10時に来いって言われたら現場にはその1時間前には着いてなさい!!!」

じゃあ、最初から9時集合にしておいて欲しい・・

「まぁ、いいわ。さっさと準備しなさい!」

と姫花はされるがままメイクをされ、渡された服に袖を通し、そのままスタジオに入った

「クールブレスガムCM、パターン1撮影、姫花さんはいりまーす!!」

「はじめまして、監督の山崎です。今日はこのガムのCMなんだけど、姫花ちゃんは唇と後姿しか映らないから、そんなに緊張しないでね。ガムをくわえていればいいからね」と監督から説明を受け、ガムを手渡された

って・・ガムってタブレットかよ!!

くわえとけばいいって!? はぁ~!!! 姫花が困惑していると・・

「パターン1撮影、潤さんはいりまーす」

「よろしくお願いしマース!!!」

ん? 潤? 

姫花が声の方を見ると「よっ!」潤也が立っていた

「なんであんたがいるのよ?」

「なんでって、仕事だから?今日は姫花の初仕事なんだって? 俺がその相手なんて、光栄だなぁ・・・」

「あれ?ふたりは知り合いなの?」

「監督、お久しぶりです!よろしくお願いします。姫花とは中学からの友達っすよ!」

「なんだ!それなら固くならないかな。 じゃあリハからいくぞ」


< 22 / 222 >

この作品をシェア

pagetop