姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
AQUA
ライトダウンした店内に流れる音楽

大きな水槽に泳ぐ、色とりどりの熱帯魚

シェイカーを振っている金髪の外人バーテン

バーテン目当てなのが見え見えの女達がカウンター席に陣取っている


「Hi! ジェイソン! 」

「Hi ! Himeka ! Long Time No See You・・・」

カウンター越しにHugをして、Chu、Chuと音をたててほっぺをくっつける

その一連の様子を「ありえない!!」とでも言いたげに見つめるカウンターの女達と、まるで見てはいけないものを見たしまったかのように真っ赤な顔をして俯いた咲

「空いてる?」

「あぁ、 もう集まってるよ!」

「そう。 あっ、ジェイソン、この子が咲ちゃん! 咲ちゃん、こっちがジェイソン」

と二人を紹介した

172cmの姫花が見あげるほどの長身に、短く切った金色の髪に白い肌、太っているというわけではなく鍛えているんだなぁ・・という感じの体格、シェイカーを持つ長い指がやたらにセクシーに見える


咲は思わず見とれてしまっていた

「はじめまして、咲ちゃん♪ お噂はかねがね♪」とジェイソンは咲の手を取り、その手の甲にキスを落とした

「はっ! はじめまして・・・ 藤田 咲です」

「わぁ・・かわいいなぁ♪ 初々しい反応! たまらない~ 」

「ジェイソン!! 大吾にシバかれるよ?」

「ハハハ~ そうだった!!」

「咲ちゃん、こっちよ?」と姫花は咲の手を引き、店内に足を進めた

「姫ちゃん? ジェイソンさんって何者?」

「あれ? ただのエロ外人だから気にしないで。日本語ウマすぎて、若干ひくよねぇ」と姫花は店内の奥にあったエレベーターのボタンを押した

すぐにエレベーターの扉が開いて、ふたりは乗り込んだ

エレベーターにあったパネルを操作する姫花

「あぁ、こっから先はパスワードと指紋認証がないと入れないの」

「え?」

「あっ! べつに違法なことやってるんじゃないのよ。 煩わしい騒音対策ってとこだから」と姫花が説明していると【チンッ】どうやら目的の階に着いたようだった





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