姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
はぁ・・・やっと落ち着いたかも~♪
普通科の校舎に芸能科の生徒はいないし、静かなもんよ!
と姫花が座ると
「こんにちは! 友達になろうよ!」
「名前なんていうの?」
「どこの中学出身?」
「っていうか、かわいくない? 彼氏とかいる?」
姫花の周りはあっという間に男子生徒で囲まれてしまった
なんなのこれ? かなりむさ苦しい・・・
どうしようか・・と考えていると
「キャー!!!」 「なんでいるの!!!」 「カッコイイ!!」
廊下の方で女生徒の騒ぎ声が聞こえる
歩いてきたのは、芸能科の潤也
芸能科の生徒が普通科の校舎に入ってくることは、通常ない
「ねぇ、1年C組ってどこ?」と近くにいた生徒に聞いている
「えっ!? あっ・・あたしですか!?」
「そう! 君♪」
「あのっ、そこです!!」
「ありがと♪」と潤也は教えてくれた女生徒の肩をポンと軽く叩き、言われた教室の扉の前に立った
「おい! 姫花!! 帰るぞ!!」と大声で叫んだ
しかし、教室を見渡しても姫花の姿はどこにもない。ただ、1箇所だけ、学ランで隠れている場所があった
その集団に向かってもう一度「おい! バカ姫!! 帰るぞ!!」と叫んだ
するとようやく、その集団から姫花が顔を出し
「やだ! 最後のHRまで出る!!」とだけ言い、また座ってしまった
「ンだよ!」と潤也は一瞬で機嫌が悪くなる