姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】

冷戦・・・

梅雨もあけ、夏休みを1週間後に控えた金曜日の放課後

私の左右で不機嫌に歩く、ウドの大木1号・2号・・

というか、ここ1ヶ月くらい様子がおかしい、このふたり・・

用もないのに視界に入ってくる・・

内容のないメールがバンバン送られてくる・・

なにかの嫌がらせかとも考えたが、嫌がらせをされる理由もこの二人がする理由も思いつかない・・

そして、今日は夏休みの旅行の計画をたてるとか言って、この二人は我が家に来るらしい・・

超重い空気・・・

「はぁ~」 ため息しか出ない・・・と校門に目をやると

おっつ! 見慣れた背中発見♪

「ガ~ク~! 」とその背中に向かって飛び掛り、そのままおんぶの体勢になった

「うわっ!」とアニキはよろけつつも、おんぶをしてくれている

「車に乗せてって♪」と耳元で囁いてみる

「ちょ! 姫! やめろって!!」

「やめるから、乗せてってね♪」とアニキの返事も聞かぬまま、背中から降りた

ふと、視線に目をやると隣に知らない青年が無表情で立っていた

誰?

「ったくよ~ てめぇで歩いて帰れよ!」とブーたれているアニキの制服を引っ張り隣の男に目配せしてみる

「あ~コイツ? 俺のダチの日向(ヒナタ)ね。 怪しい奴じゃねぇから安心しろ」

あ~知り合いか・・ 良かった 良かった・・・

でも、本当に怪しくないの?

さっきから私の事ずっと見てない?

無表情すぎて・・こっ怖いっす・・



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