姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
気のせいかもしれない

自意識過剰なのかもしれない

なんか・・見られてる? っていうか観察?されてませんかね?

本当は、蜂蜜とジャムをたっぷりかけたワッフルを食べたかったんだけど、日向先輩がそういうモノを食すイメージがなかったので、ベーコンやらトマトやらチーズやら・・詰め込んだホットサンドを作った。

欲張って、いろんな具材を詰め込みすぎたおかげで、かなり食べにくい・・

それに、ほぼ初対面の男の前で大口を開け食べることにも抵抗があるし、今更っていったらそれまでだけど、寝起きのナイティだし・・

そんな事を考えていたら、突然日向先輩がしゃべりだした

「姫花ちゃん、食べないの?」 

あれ? 観察は終わったの? なんか先ほどの観察タイムの時とは全然ちがう穏やかな空気なんですが・・

なかなか話さないのを見かねたのか

「コレ、すっげ~うまいよ? 俺、朝ってコーヒーくらいしか口に出来ないんだけどさ。もし食べないんだったらくれない?」

「ど・・どうぞ」

なんだ? すっげ~食意地が張ってんのか?

「姫花ちゃんって、俺の事知らないよね?」

日向先輩はそういうと私の(だった)ホットサンドにかぶりつく

なんだ?今度は自意識過剰か?

「ハハハッ さっきからコロコロ表情が変わっておもしろいね! ガクに妹がいるなんて知らなかったけど、姫花ちゃんみたいな子ならもっと早くに紹介してもらたかったよ」

ほほ~う・・・  

「俺さぁ、こう見えて結構有名なんだよ? 拠点はウィーンだから、あんまりこっちに帰ってこないけどさ」

「ふ~ん」

「ふ~んってそれだけ? 何してるんですか?とか聞かねぇの?」

「・・・・じゃあ、何してるんですか?」

「・・・・・・」

「言いたくないなら聞きませんよ? あっ、コーヒーおかわりいります?」

と私はキッチンへコーヒーポットを取りに行き、空になった日向先輩のカップにコーヒーを注いだ


< 89 / 222 >

この作品をシェア

pagetop