姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
なんて思ったが、テーブルに置かれたビールを直ぐに開け、一気に飲み干し、缶をつぶした

俺のその行動を見ていた美男子二人は、何を思ったか俺に続くようにビールを飲みだした

大丈夫かよ? いっとくけど、俺ってザルだよ?

まぁ、お前等がどうなろうと知ったこっちゃねぇけど?

ガクが、少し離れた場所で、じーっと俺たちを見ていたなんてなぁ・・

しばらくして、風呂にでも入ったのか、さっきより少し幼い感じの姫花ちゃんがリビングに戻ってきた

ガクの妹だけあるわ・・ 見かけしかしらねぇけど、上モンだわ

風呂上りの上モノの女を目の前にして、明らかに動揺している美少年ふたり

姫花ちゃんに近づきつつ、軽くあしらわれ、そのままつぶれた一人目

二人目は、しばらく姫花ちゃんと一緒にいたが、自ら部屋を後にしたようだった

そのうちに、姫花ちゃんも自室に戻るのか、リビングから出て行った

俺はそのドアからしばらく目が離せないでいた

目の前に座っていたガクが口を開いた

「俺の妹にホレんなよ」

「はぁ? 勘弁しろって」 思わず、声がでかくなる って・・なぜに?

ガクは俺から目を離さない

こいつの目は人の心を読むような気がして、恐ろしい

ガクは、年齢を問わず人気がある。 東京オリンピック世代からも根強い人気を持っているし、生まれたばかりの赤ちゃんだって、コイツが抱っこしたら泣き止むような気がする。
もちろん生まれ持ったものもあるんだろうけど、コイツはそれ以上に努力をしているし、自分が置かれた恵まれた環境に驕ることがない。
芯がまっすぐな男だ 

本来なら、もうこの学校に在籍する意味はないんだけど、もし高校を辞めてしまったらもうガクとの繋がりがなくなるのかも・・少し不安になる・・
って、別に男が好きなわけじゃない・・
卒業して、数年絶てば自然に連絡も取り合わなくなるのかもしれないけど・・
それでも、友人として過ごせるあの場所を自ら放棄はしたくない

ってガクは俺がそんなこと考えているなんて思いもよらないだろうけどな


< 92 / 222 >

この作品をシェア

pagetop