姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
俺たちは、たわいもない話をして朝方そのまま寝てしまった

しばらくして、美男子二人がガサゴソと起きて、帰っていくのがわかった

夕べのガクの話によるとこのふたりはかなりの売れているらしい

それなら、多少のわがままが通るだろうが、こんな早くに起きていくってことは、こいつ等も案外、ガク寄りな男たちなのかもしれない

元々長い睡眠がとれない体質なので、3時間ほどで目が覚めてしまった

ガクは「だりぃ~ 寝たりねぇ~!!!」と言いながら自室に行ってしまい、リビングにひとり残された俺は、寝起きのままの姫花ちゃんから目が離せない

一般論として、寝起きって、酷いよな?なんつうか・・髪がぐしゃぐしゃとか・・さ

俺が今まで、朝を一緒に迎えた女はたいがいそうだった・・

って、そんな安い奴と同類にしたことを、すぐに後悔し、反省した

あいつらは、俺を商品としか思ってねぇ最低な奴だった・・

姫花ちゃんは、こんな俺にも【朝ごはん】を作ってくれた

夕べあんなに飲んで、まだ酒が抜け切れてないハズなのに、朝は液体と煙以外一切受け付けない体なのに・・ 姫花ちゃんの分までたいらげていた

自分でびっくり!

別に何を話したわけでもない、ガクみたいな美系が生まれた時から側にいるからか、俺の知ってる女という生き物とは違う目で俺を見てくる

見てくるっていっても品定めしているって感じではない

って、都合よく考えすぎだろうか・・

まだ、出会って数時間しかたってなけど、こういう女の隣はさぞ、心地いいんだろうなぁと漠然と考えた俺は、無意識に誘っていた

ウイーンに一緒に来て欲しいって言ったんだけど、流石にそういいようにとってはもらえず、今日の午前中なら・・みたいな返事

こういう感じも今までにない・・くすぐったい・・

俺は、この湧き上がる感情にしばらく一人で浸りながら過ごした




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