姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
【潤也】

仕事で長く休みすぎて、夏休み中に何回か登校しなければならないらしく、終業式である今日も仕事だったオレは、生徒もまばらになった昼過ぎに学校に来ていた

午後からは久しぶりのオフだったので、姫でも誘って・・なんて思っていたら、ちょうど本人から、クラスメイトとカラオケにいくから一緒にどうか・・って誘われた。

クラスの違う俺が行ってもいいもんか・・とも思ったけど、姫が誘ってくれたし、二つ返事でOkした。

電話を切って、そのまま姫のクラスに向かった俺は、廊下で立ちすくむ姫花を発見した

声を掛けようと思ったら、姫の肩が震えてる?

なんか・・・おかしい・・ 

そのままゆっくり姫花に近づくと、聞こえてくる誰かの話し声・・

生徒がほとんどいないので、廊下にまでよく聞こえてくるなぁ・・なんて思っていたら、その場から姫花が走り去った

え? 何?

姫花の後姿を見ながらも耳に入る声

一人の声しか聞こえないから、電話でもしてるのか?

「あの巨人女さぁ・・ どんだけ伸びれば気が済むのかねぇ・・」

「うん、そうそう! キャハハハッ!!」

巨人女?

「そうだよね~ 潤くんには、150そこそこのかわいい女の子が似合うわよねぇ!」

え? オレの事?

「でもさ、きっと勘違い姫の事だから、潤君か、けんくんか連れてくると思うからさ! 期待しといてよ! でも、姫花がいると潤君たち、姫花から離れないからさ~ 途中で消えないかなぁ・・・」

オレのバカな頭はここでようやく理解した・・

そっと、教室をのぞいてみたけど、誰かはわからない・・

目についたのは、携帯にジャラジャラついたストラップだけ・・

こいつが誰か・・というより、まずは姫花だ!

あいつがどんな内容を聞いたかはわからないけど、傷ついているのは容易にわかる。

オレは、姫花を探しに、走り出した。





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