この香りで惑わせて



「悪い。今日は、我慢できない」


 彼は謝罪を口にすると、乱暴にジャケットを脱ぎネクタイを外し、ボタンを外すと覆い被さってきた。


「今日の亜美……色っぽい匂いがする」


 早急な仕草でブラウスのボタンが外され、あらわになった胸元に鼻を近づける。


「この匂いは、まずいよ」


 手のひらがブラの上から胸を包み込み、前にあるホックを意図も簡単に外した。


「他からも……匂いがする」


 彼は体をずらして下に向かい、スカートを脱がせると、膝から腿へとキスをしていく。


「ああ、ここだ」


 香水を吹き付けた場所に鼻を擦り寄せ、恥ずかしいくらい秘められた場所に近いところにキスをする。


 それだけであたしは、すすり泣きそうになった。


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