禁恋ゲーム






「そんなことはどうでも良い。急に結愛が倒れて……保健室に連れ込んだんだけど。大丈夫か?」





心配そうにあたしを見ている顔。





その顔からはあの笑みを浮かべるなんて…全く想像できない。






まだ震えている指先。






おさまらない恐怖。





まるでこのゲームの終わり方を見たようで______ひどく、怖い。





あたしが負けることを予知しているみたいで……。






「……怖い。……ねぇ、キスして。」





あたしがそう言うと怪訝そうな顔をする玲哉。





でも玲哉はニヤリ、と笑い_____身を屈めて、あたしにキスをする。





……もっと、もっと。






恐怖をキスで紛らわすように……。





何も考えられないほど、深く、深く。






今のあたしには______この震えを止める方法はキス以外に考えられなかった。








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