愛という名の魔法
第一章 里緒奈
雲ひとつない澄み切った青空。
5月のさわやかな風が里緒奈を
つつみ吹き抜ける。
今日も電車は前から2両目。
定刻に定位置に彼がいる。
大きく息を吸い込みイメージする。
いつかきっと目が合うかも。
いつかきっと声を聞けるかも。
そして
いつかきっと2人で街を歩く!
でも現実は今日もきびしい。
扉が開く。「うっ、苦しい」
押されて右へと流される。
(違う! 左なの! 彼は左に居る)
そうなのだ。彼は定位置。
あがいても数の力に押され
むなしく押し流された。
この位置だと声はおろか姿さえ
見れない。(今日は最悪だ)
里緒奈は心で思う。
彼の笑顔、髪をかきあげる癖、
長い足、名前は確かユウ……
5月のさわやかな風が里緒奈を
つつみ吹き抜ける。
今日も電車は前から2両目。
定刻に定位置に彼がいる。
大きく息を吸い込みイメージする。
いつかきっと目が合うかも。
いつかきっと声を聞けるかも。
そして
いつかきっと2人で街を歩く!
でも現実は今日もきびしい。
扉が開く。「うっ、苦しい」
押されて右へと流される。
(違う! 左なの! 彼は左に居る)
そうなのだ。彼は定位置。
あがいても数の力に押され
むなしく押し流された。
この位置だと声はおろか姿さえ
見れない。(今日は最悪だ)
里緒奈は心で思う。
彼の笑顔、髪をかきあげる癖、
長い足、名前は確かユウ……