大好きな君の。
「優、好きよ」
顔を近づけてくる遥。
俺はそんな遥を受け入れる。
何分経っただろうか、病室がノックされ、遥と距離をとった。
扉の先にいたのは、朋ちゃんだった。
「だれ?」
俺は、朋ちゃんに最低な言葉をぶつける。
動揺を隠せない様子の朋ちゃん。
だけど、その姿はどこかあきらめがついていたようで、何も言わない。
「やだなぁ優。教えたじゃん。朋美ちゃんだよ!ほら、優がかばって怪我した子」
遥と打合せ通りの会話をする。
「あぁ、そっか。君が朋美ちゃんか。よろしくな」
「ねえ、そんなことより早く続きしようよ~」
朋ちゃんの前でこんなことはしたくない。
傷つく顔なんかみたくない。
だけど俺は自分が可愛いんだ。
朋ちゃんに父親のことがばれて、拒絶されることがこわい。
俺は最低だ。
記憶なんか、もどらなければよかったのに。