大好きな君の。
憐哉視点。
『朋ちゃんのこと憐哉にあげる』
あの日、そういった優哉の顔は、笑っていた。
でも、優哉はきっと気づいていない。
涙を流していたことに。
それで気づいた。
優哉は何かを隠している。
朋美と公園で別れ、家に帰った俺は両親に話した。
「憐哉にはだまっていたけれど……」
そこではじめて、優哉の父親の事故の相手が朋美の両親だということを知った。
母さんと父さんが何度も朋美のおばあさんに謝りにいったことも。