大好きな君の。
彼は、私をじっと見つめたあとに、
「殴られたら、痛いと思う。」
「知ってるよ。」
ビニール袋をガサゴソと漁りサイダーを取り出す。
喉、渇いたんだよなあ。
キャップを回すとプシュっと言う炭酸の抜ける音と共に、沢山の液体が飛び出した。
「うひゃー。やっちゃった。べたべた。」
何かふくものを探すけれど唯一ある拭けそうなものは地図。
これで拭いたらべたべたになるよな、地図が。
でも、手がべたべたなのは気持ち悪いしなあ。
それにはやくしないと手についたサイダーが渇いてしまう。
葛藤の末。
意を決して、拭こうとしたときだった。