大好きな君の。
「あー!もう思い出せないなあ!」
「危ない!!」
そんな声が聞こえた。
ふと、横を見ると白い光が私を照らす。
キーッと耳を痛くするほど高い音が私が聞こえる。
何もかも、失ったあの瞬間。
あの時と同じ、白い光が私を包む。
私、ここで死ぬのかな……。
そう思うと今までの思い出が走馬灯のように流れる。
楽しかった思い出。悲しかった思い出。寂しい思い出。
お母さん、お父さんっ……。
動け、動け。
思うように動かない身体がもどかしい。
左腕が酷く痛んだ。
手をぐーぱーしようと試みる。
が、動かない。
だけど、予想していたよりも、そんな痛くなくて。
その代わり身体が酷く重く感じた。
早く避けないと、二次災害になってしまう。
「きゃーっ!!」
歩道の方から、甲高い声が聞こえる。
起き上がりたいけど、力が入らなくって。
ふっと、そこで意識が途絶えた。