大好きな君の。






「ど………こ………?ここ…………?」









 重たい瞼を開ける。



 思うように喋ることができない。







 すぐそばにいた誰かが、私を正面から見つめる。


 視界がぼやける。













「朋ちゃん………っ」
「お……ばあ……ちゃん………?」
「待っててね。 今お医者さん読んでくるからねぇっ!」
「めいわ………く……かけて……ごめんなさい………」
「何言ってるの、ちょっと待ってなさい!」











 うっすら見えたおばあちゃんの顔は、泣いていたのがわかった。






 つらいのは、私だけじゃない。



 ごめんなさい。ごめんなさい。


 お母さん、お父さん、こんな娘でごめんなさい。
 




 親孝行もなにも出来なくて、おばあちゃんにお礼もしないで、死のうとして。




 本当にごめんなさい。








 おばあちゃんが、ナースステーションに行くのに病室を出て行った。



 おばあちゃん、病室にはね、ナースコールっていう便利なものがあるのよ。



 ……まあいいけどさ。







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