大好きな君の。
診察が終わって10分。
おばあちゃんはお医者さんに容態を聞きにいった。
暇だなーなんて思っていたら、こんこんっとノック音が聞こえた。
お医者さんがさっき左腕が骨折している、といっていたので、右腕をつかって上体を起こしどうぞと声をかける。
顔を覗かせたのは憐ちゃんだった。
「おわった?」
「あ、うん」
「そか」
「暇だし、入れば?」
「うん」
憐ちゃんが病室に入ってきて、パイプイスに腰をおろす。
少し沈黙。
なんだかちょっと居心地がわるくて、声をかける。
「憐ちゃんはなんで私が入院してるのしってたの?」
「………優哉……俺の兄貴が、
道路でふらふらしてた中学生かばって
事故にあったって。
誰かなって思ったら朋実だった」
「かばって事故………?どういうこと?」
「……………」
「憐ちゃん?」
「………っ。朋実は、悪くないから」
ばつがわるそうに、目を合わせようとしない憐ちゃん。