大好きな君の。
それから何日か経って。
憐ちゃんは毎日お兄さんの、優哉さんのお見舞いのついでに私の病室にも寄ってくれた。
そんな憐ちゃんの存在を知ったおばあちゃんは、憐ちゃんと同じ中学に編入できるよう手続きもしてくれた。
今日もノックの音が聞こえる。
「どうぞ」
「ん、いくよ」
「はーい」
立ち上がって、歩いて行こうとする私の右腕を掴みちょっと待って、と止める憐ちゃん。
「毎日言ってんじゃん、乗れって」
「えーやだよ。手すり使ったら歩けるもん」
「怪我したら俺のせいになんだろ」
そういわれて、しぶしぶ車椅子にのる。
優哉さんの病室は、私と同じ3階の奥。
憐ちゃんに車椅子をおしてもらって、廊下を進む。
「ねー憐ちゃん?」
「ん?」
「憐ちゃんってさー彼女いんの?」
逆にいると思うの?と口角を上げ聞き返してくる彼。