大好きな君の。
「失礼します」
「優哉来たぞー」
ノックして、扉を開く。
憐に押してもらい、ベッドの横に移動する。
彼の顔には、何度見ても慣れない大きなガーゼがついている。
痛そうだな、と思い、ガーゼの上から頬を撫でる。
布団がもぞもぞ動いた気がした。
ゆっくり、ゆっくりと動いた手が私の手に重なった。
「だ………れ………?」
瞼を重たそうに開いた彼は、私を見て微笑した。
彼の動きに合わせるように、時間も、ゆっくり動いてる気がした。
「憐!!憐ちゃんっ!」
我に返って、窓の外を見つめる彼を急いで呼ぶ。
憐は、何事かという顔で私を見た。
状況は、すぐに理解できたようだ。
「優……哉……?」
優哉さんは憐ちゃんにも目を向け、私にしてくれたのと同じように柔らかに微笑む。
「だ……れ……?」