大好きな君の。






「あ………れ………?」







 お母さんに手を伸ばす。届かない。そこにいたお母さんは、もういない。


 また、お母さんの夢だ。



 ふと、スマホを確認すれば新着メール一件と、表示されていた。











【 寝落ちしてたわ今日いつもより早めにお見舞い行く 】









 大丈夫、わかった。とだけ書いて送信。


 窓の外には、やっぱり咲きかけの桜。







 あのときとは違って満開じゃない桜。


 お母さん。お母さん。お母さん。




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