大好きな君の。





「朋実、」
「あ、憐ちゃん」
「いくよ」










 憐ちゃんは、いつもよりも不機嫌な顔で早くお見舞いにいきたそうだった。


 私は、車いすに乗ろうか悩んでやっぱり歩いていこうと、立ち上がって


 先を歩く、憐ちゃんに追いつこうと小走りをする。





 どたーんっと音が鳴った。頬が冷たく感じた。






 なにが起きたか、わからなかった。



 ただ、骨折している左腕が悲鳴をあげる。











「痛ぃ、痛いよぉ」











 左腕が、ひどく痛む。フラッシュバック、というやつだろうか。


 白い光に包まれた。事故にあった、あの瞬間を思い出す。





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