大好きな君の。
*憐視点。*
それから何日も朋美と優哉の病室を訪れた。
優哉であって優哉じゃない。
正直、きつい。
憐くん、だなんて呼ばれたことなかったのに。
父さんと母さんもあの日以来優哉の見舞いに来なくなった。
仕事が忙しい、なんていいながら本当は……。
早く、早く優哉に思い出してほしい。
全部思い出してほしい。
だけど、あんな優哉見てたら言えねえよ、そんなこと。
優哉が泣いてるとこなんて初めて見た。
優しい優哉が、あんなに取り乱しているところだって。
朋実には、とりあえず記憶がないことだけは言ってあるけど。
言えねえよな。
俺と優哉が本当の兄弟じゃないことなんて。
今更さ。