大好きな君の。
「朋ちゃんの部屋、2階なのよ」
「そうなんだあ!!」
うふふ、と笑って私を案内してくれるおばあちゃん。
出来るだけ素っ気なく返さないように努力をする。
私の残り少ない親族。
おじいちゃんは、私が5歳くらいのときに亡くなっている。
母方の祖父母は、私が生まれる前になくなっているし、お父さんもお母さんも1人っ子。
おばあちゃんの後に続いて初めて、この家の2階へといく。
「ここよ。荷物はもう届いているから」
おばあちゃんが下へと降りたのを確認し、部屋に入る。
私の前の家と同じくらいの広さ。
私の前の家と同じようにセッティングされた家具たち。
ぽつん、と数個置いてある段ボール。
寂しさを感じた。悲しさを感じた。
もうずっと前に枯れたと思っていた涙が、とめどなく流れる。
お母さん、お父さん。元気にしていますか?
私も、出来るだけはやく、そっちにいきます。