大好きな君の。
「違うよ、憐くん」
起き上がりなおした、優哉さんが憐ちゃんを真っ直ぐ見つめる。
付き合ってない。
わかっているけど、その現実がちくりと私の心を刺した。
憐ちゃんの顔をまっすぐ見ることができなくて、目を背ける。
「………へえ」
憐ちゃんは納得していないように呟く。
今の光景が見られていたかと思うと、身体が火照る。
「朋ちゃん、ちょっと席、外してくれる?憐くんと2人で話したい」
「あ、うん。病室戻るね」
優哉さんが申し訳なさそうに私を見た。
憐ちゃんの横を通って、病室をでる。
ちらっと見た憐ちゃんは、いつもと変わらなく見せようとしていたのかもしれないけれど、どこか悔しそうに見えた。