大好きな君の。
*憐哉視点。*
凄いタイミングで病室を入ってしまった俺。
ノックでもしておけば良かったかと後悔が襲う。
何を想ったところで結局今更なことに変わりない。
優哉に言われて朋実は病院に来た当初とは違い、歩いて出ていった。
朋実が出ていく所を、優哉は優しく微笑んで見つめた。
記憶が残っていたら、優哉はきっとこんな顔で微笑んではいなかっただろう。
「憐くん、座って?」
優哉の声を聞き、俺は朋実が先程まで座っていたパイプ椅子に腰を下ろした。